真似るとは、成長する事である
「真似る」という言葉にどういうイメージを持っているでしょうか。
いわゆるパクリだとか、二番煎じだとか、自分の考えが無いとか、あまり良いイメージは無いかもしれません。
ですが、知っている人は知っています。
真似るということは、自分を成長させてくれる最高の方法だという事を。
私自身、人の真似をするのはあまり好きではありません。
昔は誰かがやっていたら他の事をしてみようと考えたり、なんでも独自の方法でやりたがっていました。
ですがこれは、真似るという本質から程遠い事だと「流される力」という本を読んで思い知らされました。
真似るという本質は、「自分が目指している目標を、既に達成した人の道を通る事で、最短距離で成長する事ができる」という事です。
独自の方法で何かをするという事は、「我(が)」を持っているという事になります。
我(が)を持つのは良い事ですが、最初から我を全力で押し出して何かをするのは早すぎます。
成長にも順番を意識して考える事ができます。
「人の真似をする」→「自分なりの応用を加える」→「自分のやりたい様にやる」
という流れで考える事ができ、これを「守・破・離(しゅ・は・り)」と言います。
守:まずは決められたとおりに動き、かたちを忠実に守る
破:基本のかたちに自分なりの応用を加える
離:かたちにとらわれない自由な境地に至る
守破離という言葉は千利休が考えたと言われており、元々は茶道の心得だそうです。
この心得や流れ、どこかで知っていたり、経験したことはありませんか?
そう、それは部活動です。
スポーツをやっていた人はイメージをしやすいと思いますが、野球であれば打ち方をコーチから教わると思います。
そのコーチから教えてもらった打ち方をもとに、自分の癖が現れ始め、最終的に自分なりの打ち方になって行くと思います。
これは、「教えられたフォームで素振りをする」→「そのフォームに癖がでる」→「自分独自の打ち方になる」という流れです。
なので、野球が上手くなりたい(成長したい)なら、まずは真似をしろということになります。
「真似るということは、自分を成長させてくれる」というイメージはつきましたでしょうか。
これは他のジャンルでも同じ様に考える事ができます。
例えば、仕事やビジネスです。
仕事やビジネスで成功した人がいますが、その人の考えている事を真似してみるのです。
そうする事で、その人がなぜこういう事をしたのかを知る事ができたり、自分では見えなかった新しい事を知る事ができます。
ここで重要な事は、教えてもらえる人、信頼できる人を見つけることです。
見て真似るだけでは限界がありますし、信頼できる人でないと変な事を教えられて、どんどん悪い方向に進んでしまう可能性も無いとは言い切れません。
自分が成長したい分野で既に成功している人がいるなら、その人から考え方や行動を教えてもらい、それを実行する事で最短経路で成長する事ができます。
忘れてはいけない事は、初めのうちは我を出してはいけないことです。
素直に教えられた事を実行していくことで、教える側も気持ちよくなり、どんどん教えてくれる様になります。
我は一番最後に出しましょう。
もし、信頼できる人を見つける事ができなかったり、コーチと呼べる人がいない場合は、世間が良いと言っているものを真似してみましょう。
例えば、「この本は面白くてベストセラーにもなっている」と世間が言っていたら、まずはその本を読んでみましょう。
その時に「私は本を読むのが苦手なんだよね」となるのは我が出ている証拠です。
一度、自分は本当に本を読むのが苦手なのかを疑ってみましょう。
たくさん売れている本であれば、メルカリ等のフリマアプリで安く売っているので金銭的にも負担は少ないと思いますし、一度読んでみて「やっぱり私は文字を読むのは苦手だし面白く無い」と読んだ後に我を出してみても遅くはありません。
この記事では、イメージしやすい様に「真似る」という表現してきましたが、この本では「自分の思考を相手に託す」という表現が使われています。
この考え方「思考信託」と言います。
この本には、今回紹介した「守・破・離(しゅ・は・り)」の考え方の他にも、「思考信託」を実践するためのフレームワークも載っています。
中々成長しないなぁと感じていたり、先輩がやれやれうるさいんだよなぁと思っている人は、是非読んでみてください。
スポーツも仕事もビジネスも、真似ることで成長する事ができると、頭の片隅にでも置いておいてください。